SAiのカードゲーム研究所

カードゲームに関するアレやコレやを書き綴ってみたり

新スタンダードレギュレーションにおけるガブルカの考察、のようなモノ

初めての方は初めまして。そうでない方はこんにちは。世界の隅っこでカードゲームをしているカードゲームおじさん、SAiと申します。
毎日のように「観測史上、最高気温を更新!」このようなニュースを見かける今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか?私SAiは更新の文字を見る度に「更新かぁ…。更新、しないとなぁ…」等と考えながらも、このうだるような暑さに負けていました。とは言え「いつまでも負けていられるか!」と老体にムチを打ちこの記事を書き始めた次第です。
そんな筆者の近況はさておき、今回の話題はタイトル通り「新スタンダードレギュレーション(以下SMレギュ)におけるガブルカ」についての考察です。ちなみに、筆者はSMレギュでは他のデッキに浮気しているのでガブルカを使っていません。エアプ乙、です。なので参考程度に留めておいて下さい。とは言え半年ほどガブルカを使い続け、そこから得た知識と経験に基づいているので参考程度にはなるハズです。

尚、本記事は以前書いたガブルカに関する記事に不足していたSMレギュに関する内容を補完する記事となります。もし本記事を読んで興味を持って頂けたのなら、下記の記事も併せて読んで頂けるとガブルカというデッキに対しての理解もより深まる、と思われます。

1.ガブルカについてのおさらい

それではまずはガブルカについてのおさらいから。

ガブルカとは拡張パック「ウルトラムーン(SM5M)」で登場し、強化拡張パック「ウルトラフォース(SM5+)」で強化された比較的新しいデザイナーズデッキの一つです。デッキの特徴としてはカードのサーチ力は他の追随を許さないレベルであり、条件さえ満たせばノーマルポケモン*1でありながらポケモンEX/GXすらも一撃で倒せる程の高い攻撃力を誇ります。

また、デッキのメインとなるガブリアスが闘タイプと竜タイプの2種類が存在する珍しいデッキで、その特異性から様々な方向性の強化を得られるデッキでもあります。
比較的最近の例として拡張パック「禁断の光(SM6)」で闘タイプの強化としてディアンシー◇が、強化拡張パック「ドラゴンストーム(SM6a)」では竜タイプの強化としてチルタリスヒガナワタル◇等が、拡張パック「裂空のカリスマ(SM7)」では竜タイプの進化ポケモンを使うデッキ強化としてラティオス◇、ノーマルポケモン主体のデッキ強化として戒めの祠などの強化を得ています。
このように多方面の強化を得られるのもガブルカの魅力の一つでもあります。

2.ガブリアスは闘か竜か?

それでは本日の話題の一つ「SMレギュにおけるガブルカはどちらのガブリアスがベストか?」に移ろうかと。
旧スタンダードレギュレーション(以下XYレギュ)において単にガブルカと言うと、その殆どが闘タイプのものを指していました。その理由は「闘タイプのデッキなら枚数は兎も角、大体のデッキ入る」と言われるほど優秀な効果を持つカードが多々有ったこと、今と比べて竜タイプの補助が出来るカードが少なかった事にあります。

ただし、それは今は昔のお話です。9月からはレギュレーション変更で闘タイプを補助してきた優秀なカードが複数種スタン落ち、逆に竜タイプの補助は強力なものが増えてきている、と一概にどちらが良いとは言えないのが現状です。一部のガブルカ愛好家達の間では「どちらのガブリアスを採用すべきか」で日々熱い議論が繰り広げられていたりもするようですが…。

ぶっちゃけどっちでも良いです(オィ

闘と竜、どちらにもメリット/デメリットがあるのでご自身の対戦環境に合わせて選択してください。以上、解散!…流石にこれではあまりにあんまり、無意味にも程があるのでそれぞれのメリット/デメリットを挙げていくと致しましょう。

闘タイプのメリット/デメリット

ディアンシー◇で簡単、かつ少ない枚数で打点の上昇が見込める。また、これにより相方として採用しやすいルカリオGXで1エネ170点*2を出しやすい。

フカマル、リオル共に闘タイプが存在するのでせせらぎの丘を採用しやすい。これにより同じく水ポケモン*3も採用しやすい。

・闘タイプが弱点のポケモン*4の弱点をつける。

・闘タイプに抵抗力を持つポケモン*5が存在するので安定したダメージを狙いにくくなる。

竜タイプのメリット/デメリットデメリット

・ワタル◇でガブリアスを含む竜ポケモンの展開が楽。また、これにより闘タイプのガブリアスよりも超ブーストエネルギー◇1枚でおうじゃのやいばを使える場面が増えてくる。

・竜タイプのプリズムスターが軒並み優秀。ラティオス◇はサブアタッカーとして強く、フカマル限定ではあるもののラティアス◇によるエネ加速も可能。

・竜タイプに抵抗力を持つポケモンが存在しないのでダメージが安定する。

・竜タイプが弱点のポケモンも存在しないので弱点をつくことが出来ない。

私がパッと出せるのはこの辺りでしょうか。もう少し頭を捻ればまだ出てきそうですが大雑把に「こういう特徴があるんだ」と考えて頂ければ十分なので次に移ると致しましょう。

3.ガブルカがこの先生きのこるには何が必要か?

それでは次の話題「ガブルカが環境デッキと戦うには何が必要か?」を考えていこうかと。ちなみに、本項は割と勝ちに拘る方向けの内容になります。人によっては不快に感じる内容があるかもしれませんので、予めご了承頂いたうえでお読みください。

第1項で「カードのサーチ力は他の追随を許さないレベル」と紹介しましたが、強みが一つあるだけで勝てる程甘くはないのはどの世界でも共通です。環境デッキと呼ばれるデッキ群が備えていてガブルカに無い物、その一つがエネ加速です。
ポケカのルール上、1ターンに1回しか出来ない行為としてサポート*6を使う、逃げる、エネをつける、ワザを使うの4つがありますが、その内「エネをつける」だけはポケモンのワザや特性、トレーナーズの効果などで1ターンに複数枚のエネをポケモンにつけることが出来ます。これを一般的にエネ加速と呼び、環境デッキと呼ばれるデッキは基本的にこの要素、ないしはエネ1枚*7で使えるワザを持つポケモンを採用しています。

何故この要素が必要かと言うと、純粋な速度で押し負けるからです。ガブリアスを攻撃の主体とするガブルカで基本的に使っていきたいワザの「おうじゃのやいば」はエネ加速がない場合、使う為に最低2ターンを必要とします。2体目のガブリアスがおうじゃのやいばを使えるようになるには更に2ターンが必要になります。
ですが、環境デッキと呼ばれるデッキ群は1ターンでこちらのガブリアスを倒せるワザに必要なエネをつけ終える訳です。こうなるといくらサイドが1枚しか取られないノーマルポケモンを主体とするデッキでもその利点を活かせず、一方的にサイドを取られ続けるだけのゲームになりかねません。*8

このように環境デッキと戦う場合、非常に重要な要素であるエネ加速。XYレギュではきあいのタスキを付けて耐える事でエネをつける時間を稼いでいたガブルカにもこの要素か、エネ1枚でワザを使えるポケモンが必要になってくる訳です。一応第2項で挙げた超ブーストエネルギー◇を使えばガブリアスもエネ1枚でおうじゃのやいばを使えますが、その条件は厳しく、デッキに1枚しか入れられないのでサイド落ちを考えるとこれだけに頼るのは難しいです。 

4.ガブルカにおけるエネ加速の方法を模索してみる

そんな訳でやたらと長い前書きはここまで、ようやく本記事の本題「如何にしてガブルカにエネ加速を採用するか」に移りたいと思います。

1.ヒガナを採用する
竜タイプ限定ではありますが、サポートを使わずとも好きなカードをサーチ出来るガブルカなら特に苦にならず、最も少ない枚数でエネ加速を採用出来ます。ただし、サポートを使っている以上おうじゃのやいばのダメージが上がらないので、使用したターンはエネ1枚で動けるルカリオGXかラティオス◇で攻撃していきたいところです。

2.ポケモンのワザや特性でエネ加速をする
SMレギュかつ、ガブルカで採用出来る範囲で考えるとシルヴァディGXソルガレオGXアシレーヌなどが候補に挙がります。ただし、シルヴァディGXはエネ加速の為に3エネ、つまりガブリアスでワザを使うのと同じだけエネが必要なので今回は除外し、ソルガレオGXとアシレーヌを使う方法を考えてみましょう。
ソルガレオGXもアシレーヌも2進化ポケモンなのでガブルカに素直に入れるスペースはほぼありません。それでも採用したい場合はどうするか、最小のスペースで採用出来る1-0-1ラインを検討してみましょう。
1-0-1ラインとは「ふしぎなアメを使うデッキにたねポケモンと2進化ポケモンだけを1枚ずつ採用する方法」で俗におしゃれラインとも呼ばれます。旧スタンダード環境では通常、ふしぎなアメを使うにしてもグッズロックデッキが一定数存在していたので1進化ポケモンも採用するのが常でしたが、SMレギュ環境でこのグッズロックをしてくるデッキはほぼ居ないので問題になりません。また、通常のデッキではサーチ力に難があり「使えれば強い」程度の1-0-1ラインですが「サイド以外は全て触れると」言い切れるガブルカのサーチ力なら十分に実用範囲内です。

5.叩き台の紹介と本記事のまとめ

そんな訳で1-0-1ラインを採用した叩き台を用意してみました。各カードの詳細が知りたい方は以下のリンクからカードをクリックorタップしていただけばよろしいかと。

今回は「空前絶後のフェアリータイプブーム」が来ていると考えているので前回の記事で紹介していた闘ガブルカのリファインで叩き台を用意しています。
私個人としてはエネ加速orエネ1枚でワザが使えるポケモンor超ブーストエネルギー◇の中から2種類以上を組み込めれば良いと考えていますが…竜ガブルカはその全てを無理なく採用出来るのでフェアリータイプブームが過ぎた後「デッキ単体で見た場合の安定度」は竜の方に軍配が上がるのかな、と考えてもいます。

とは言え日々拡張され続けるカードゲームですので、一概にどちらが優れていると決めつけず、常に広い視野を持っていたいですね。

それではそろそろ本記事のまとめに移ろうと思います。

ガブリアスのタイプは環境に応じて選択しよう!

・ガブルカなら1-0-1ラインも単なる「おしゃれ」で終わらない!

・環境デッキと戦うことを考慮するならばエネ加速orエネ1枚でワザが使えるポケモンor超ブーストエネルギー◇の内2種類は採用しよう!

こんなところでしょうか。私はビーストちゃん達に心奪われ、最近ではめっきり使わなくなってしまったガブルカですが、そのサーチ力はSMレギュでも健在。むしろ全体的にドローソースが弱くなってきたSMレギュでこそより際立つと言うもの。
「使いたいカードを、使いたい時に、使いたいように使う」他のデッキでは真似できないこの快感を皆さんも是非味わってみてください。

そんな訳で今回はここまで、最後はお決まりの文言で締め括ると致します。

「この記事を読んだ貴方は公式サイトにアクセスしてもいいし、しなくてもいい」

6.番外編 「ルカ」ルガン+ガブリアスという可能性の獣

この記事を書いている最中、突如私の頭の中に「ルカリオGX+ルガルガンGXにガブを足すのはアリ寄りのアリでは?」なんてバカな考えが浮かんできたので叩き台を作ってみました。興味が湧いた方は是非組んでみてください。そして使い勝手を私に教えてください。

7.番外編その2 結局作ってしまった竜ガブルカの叩き台

 私は!デッキレシピを!作るのが!大好きなんだ!
そんな訳で結局竜ガブルカの叩き台も作ってしまったので、竜ガブを使ってみたい方はこちらも参考にしてみてください。

*1:ポケモンEX/GX以外のポケモンの総称

*2:大抵のデッキに採用されるカプ・テテフGXの最大HP

*3:アローラロコンアシレーヌなど

*4:主に雷/悪タイプなど

*5:主に超タイプのポケモン

*6:人間が描かれているカード

*7:ダブル無色エネルギーも含む

*8:SM5環境での筆者の体験談。ルガゾロ許すまじ